転倒事故

1 はじめに

労働の現場で、ものにつまずいたり、足を滑らせて転倒し、けがを負うケースが少なくありません。

 

転倒事故の場合、床や地面についた手を骨折したり、腰や頭を強く打つなど、業務への復帰まで時間を要したり、後遺症(後遺障害)が残って生活に支障をきたすこともあり、被害は決して小さくありません。

 

2 事例

ある従業員が、クリーニング工場内で、ワイシャツの包装機から包装され流れ出てくる商品を取ろうとした際、床面に置いてあった段ボールにつまずき、付近にあった台車に足が乗り、台車が動き、後方に転倒した。転倒した際、とっさに手をつき、手首を骨折したという事例があります。

 

このようなケースも「不注意」として片付けられてしまうこともありますが、会社・雇い主側がもっと配慮していれば防げた事故でもあります。

その場合、事故原因としては下記のような点が挙げられています。

 

1 床面に段ボールが放置されていたこと。

2 作業動線上に、台車が車輪をロックされないまま停められていたこと。

             

こういった事故は、製造・建設・運送など、わが国の重要なインフラを担う業界で発生しやすい傾向にあります。
安全への対策は各所でなされているものの、全ての企業、全ての現場で万全の対策がなされているわけでありませんし、どうしても防ぎきれなかった事故も存在します。

 

このような中で、残念ながらけがを負ってしまった方への賠償については、当然、全ての事故について適正になされなければいけません。

 

3 会社、元請けに対する損害賠償が可能なケースも

相応の補償(数十万円から数百万円)がなされることが少なくありません。

 

また、労働現場の管理責任について「安全配慮義務違反(社員が安全で健康に働くことが出来るように配慮する義務)」や「不法行為責任(事故の原因が企業の活動そのものを原因とするような場合や、労働現場の建物・設備に危険があった場合などに認められる責任)」などを根拠として会社、元請けに対して多額の損害賠償請求が認められるケースも多いのです。

 

しかしながら、こういった事情を知らずに、労災保険からの給付のみを受け取って「終わり」にされてしまっている方が多いのもまた事実です。

 

4 会社・元請けに対して過失を追求するために

労働災害においては、様々な角度から「事故を起こさないために全力で被害者の安全に配慮したのか」という検証が行われるべきです。

 

しかしながら、ほとんどの方が労働災害に遭うこと自体初めての経験ですから、ご自身ではよく分からないことが多く、どのように交渉を進めればよいか悩ましく、お忙しい中で非常にストレスに感じられることと思います。

 

すなわち、①会社や保険会社とのやり取りはとても煩雑で殺伐としたものであり、初めて労働災害に遭われた方がそれを行うのは困難であり、事故態様に関する資料の収集も容易ではありません。また、②損害の計算も容易ではありません。どういった損害を請求できるのか、慰謝料がいくらなのか、仕事が出来なくなったことに対する補償の計算はどのようにするのか、将来介護費は請求できるのかなど専門的知識が必要です。さらに、③会社側も「労働者(=あなた)」に過失があった」というように、「過失相殺(割合)」などの主張をしてくる場合が少なくありません。

 

そのような時にも、弁護士はあなたの味方となり、適切な主張を行います。

弁護士は、労働災害の賠償についても熟知しており、こういった交渉を業務としており、ご依頼いただくことで、事件がスピーディーに解決する場合が多々あります。

 

転倒事故に遭われた方やご遺族の方は、是非一度ご相談ください。

些細なことでもお気軽にご相談ください 024-528-5780 相談受付時間:平日8:30~17:30 佐藤初美法律事務所(福島県弁護士会所属)

メールでの相談予約はこちら