他の従業員の失敗・過失により怪我を負った賠償はどうなる?
Q.「同じ現場で作業していた方が落としたものに当たった」というケースはとても多くあります。このような場合、責任は誰にあるのでしょうか。
A.勿論、落としてしまった本人に落ち度はあります。しかし、労災事故の現場における「責任」は、使用者(=会社)に対して追及され、損害賠償が行われることがほとんどなのです。
これを「使用者責任」(民法715条)と呼び、会社に対して損害賠償を行う際の根拠となります。
事件の例
会社への損害賠償を行ったケースが数多くあります。
とある被災者(30代男性)は、コンテナで重さ約40kgの麻袋を運ぶ作業をしていました。
ご依頼者様と一緒に作業をしていた作業員が誤って麻袋をご依頼者様がいる方向に上から落としたため、麻袋がご依頼者様の後頭部に当たり、頸椎症性神経根症・頸椎捻挫(いわゆる「むちうち」)を負いました。
このケースでも、使用者責任を根拠に、会社に対して損害賠償義務があること自体は比較的明白でした。
この方が弁護士に依頼した後、労働局から取り寄せた労災資料を分析して、裁判基準に基づいて損害額を計算して、会社に対して損害賠償請求をしました。
結果として、会社との間で、約800万円で裁判上の和解が成立しました。